太陽魚舞台悠遊III

春野　
「たった今、無事に舞台を終えて、宝塚を卒業することが出来ました。本当に何事もなく、無事に終った事がただひたすら嬉しい気持ちです。」

○最後の舞台を終えてみて、宝塚とはどんな場所でしたか？
私自身が宝塚の舞台を観た時に夢を見ることを（宝塚から）教えられて、そして私が選んで宝塚歌劇団に入団し、さまざまな経験をさせていただくことが出来て感謝の気持ちで一杯です。

○今日一日を振り返ると？卒業の実感は？
今日は、いつもよりも落ち着いた気持ちでいて、ファンの方々の前を歩いている時も落ち着いていて、共演者に会っても、舞台に立っている時も、今日は全て落ち着いていて・・・。それはきっと皆様が私に対して深い愛情を送り続けてくれているから、安心していられる・落ち着いていられるのだと思うのです。「なぜこんなに落ち着いていられるのだろう？」と不思議だったのですが、いつもと同じように一日が終ってしまって、「退団するんだ」という思いは、まだ沸き起こってはいません。

○大階段を降りるときは？
大階段を降りるときは、なぜか幸せな気持ちでした。ショーで羽根を背負ってパレードで降りてくるときに、衣裳部の方に「羽根を背負って降りるのは、これが最後だよ」って言われた時は、少し（退団を）かみしめました。

○明日、起きてから何をやりたいですか？
とりえず明日からは本名の自分に戻りますので、宝塚の生徒ではなく、一人の本当に小さな存在の人間であることを自覚する為の日々を送っていくと思います。でも、ずっと宝塚の生徒として過ごしてきたので、明日は家族と一緒に過ごしたいなと考えています。

○（今後）具体的に決まっていることは？
具体的に何か活動することは考えていません。もしかしたら、私自身、音楽や歌が好きなので、自分がやりたいなと思うようなことがあれば、唄ったりするかもしれませんが、そういう活動をしようという風には思っていません。

○歌は続けないのですか？
今まで生きた中でも音楽というのは、自分と近いところにあったものなので、ずっと携わっていきたいなとは思っていますが、もし、舞台人ではなく、一人の人間として考えた時に自分自身が「これは歌いたいな」と思うことがあれば唄うと思います。

○涙は見せませんでしたが？
あまり泣かないというか、皆様の前で泣くことは無いかもしれません。ただ、皆様が応援してくださる愛情だとか、仲間のエールを受けると私は本当に幸せというものを最大限感じるので、涙が流れるというより、みんなの笑顔を見ると私は心の中が笑顔になります。

○宝塚に変わらないでほしい事は？
宝塚歌劇団は時代とともに変化をしてきましたし、これからもそういう風にしていくのだろうと思うのですが、唯一つ変わらないのは「清く、正しく、美しく」というモットーがあって、皆で舞台を造ってお客様に夢を見せる事です。そこだけは変わらないだろうし、変わってほしくないと思います。